虫たち その2


コウチュウの仲間

頑丈な体を持ちます。

さやばねと呼ばれる堅い前羽で、その下にたたまれた大きな膜状の後ろ羽と、体を守っています。
コウチュウ目の種類は、すべての生き物の4分の1にあたる約37万種にもなり、様々な環境に適応して繁栄しています。すごいですね。

 

カブトムシ

ぼくたちに一番人気かも知れませんね。

子どもの頃、北海道にはいなかったのですが、いまでは自然分布しています。

外国産のカブトムシも飼育観察に人気ですね。でも、外に放さないで下さいね。

クワガタ

こちらも人気がありますね。

写真は、ミヤマクワガタです。

生き物の名前につくミヤマとは、深い山と云う意味です。

オオクワガタ

九州での自然体験学習中に見つけました。
めずらしい天然個体でしょうか?

見つけたときは、びっくりしました。

 

タマムシ

北海道にはいないのですが、とても光沢がキラキラの美しい虫です。

正確には、ヤマトタマムシと呼びます。

法隆寺宝物の装飾にも使われています。

 

フタオビミドリトラカミキリ

広葉樹を寄宿植物にしています。

南方系の種類で、暖流気候や温暖化の影響で分布も北上し、いまでは北海道にもいるとも云われています。

(C)Y.Saitou

ラミーカミキリ

独特の水色の模様をしていますね。

いろいろな模様に見えてきますね。

インドシナ半島、中国、台湾からの外来種で、西日本に広く分布しています。

(C)Y.Saitou

 

 

 

コハンミョウ

本州以南の砂地や裸地を好みます。
生息地が減ってきているそうです。
ハンミョウは英語で「タイガービートル」と呼ぶそうです。

(C)Y.Saitou

オジロアシナガゾウムシ

本州以南のクズの葉などにいます。
このパンダ模様は、危険が迫ると、丸くなり落ちて固まるのだそうです。
鳥のフンの真似をするのでしょうか?

(C)Y.Saitou

 

ヒメクロオトシブミ
全国に分布しますが、全体が黒かったり、背中が赤かったり、足が赤かったり地域により色彩に違いがあるそうです。

クヌギやナラ類に住み、ゆりかごをつくります。おとしぶみの由来ですね。

(C)Y.Saitou

 

ジュウシチホシハナムグリ
漢字で書くと十七星花潜だそうです。
兵庫県などでは絶滅危惧種に指定されています。

(C)Y.Saitou

 

 

イッシキトゲハムシ

体長5ミリ、鋭いトゲを持ちます。

ササやススキなど葉脈に沿って白く食べてゆきます。

九州にのみ分布しているのかも知れません。

(C)Y.Saitou

 


ホタルの仲間

ホタルは、コウチュウの仲間に含まれるのですが、大きく見だしにしてみました。

ホタルの仲間は、平たく細長い体で、大きな触角を持ちます。
多くの種類が、腹部に発光器を持ちます。メスの羽が退化している種類もあります。

 

代表的な種類は、ゲンジボタルとヘイケボタルでしょうか。

両方とも、幼虫の頃には水中で暮らすという種類です。
北海道にはゲンジボタルはいないのですが、ヒトたちの手によってエサのカワニナなどと一緒に放流されてきています。


光はオスとメスが出会うための信号です。光る強さや間隔はホタルの種類ごと地域ごとに違っています。ゲンジボタルは西日本ではおよそ2秒に1回、東日本ではおよそ4秒に1回です。


 地域によってそれぞれ暮らしているホタルたちですので、水や環境が美しいですよというイメージや地域づくりなどのために(ヒトたちに親しまれ環境の目印になるような生き物を「指標種」または「シンボル種」と呼びます)、よそからホタルを放流することはいかがなことでしょうか?と、全国的に議論されています。

いまでは、中国や韓国などでもホタルの放流が行われているようです。

ホタルのように指標種、シンボル種となる生き物は、ほかにはどんな生き物がいるでしょうか?

 

 

ゲンジボタルの発光の様子です(動画)

ゲンジボタル
川が流れ、池もある森林の中に光り舞っているところです。

写真が、ちょっとわかりづらいかも知れませんね。

ヘイケボタル

成虫でも、こんなに小さいのですね。
(写真:北海道濤沸湖)

ホタルの幼虫

顕微鏡で拡大して見たところです。
(写真:ほたる館にて)


ハエ、カの仲間

羽は前羽だけで、後ろ羽は退化して平均こんになっています。そのため、前羽のある中胸が大きく発達しています。口器は、吸う口を持つ種類と、なめる口を持つ種類があります。幼虫には足がなく、カの仲間を除いてウジ虫状です。

 


チョウ、ガの仲間

羽や体の表面を、鱗粉が重なり合って覆っています。

口器は、原始的なグループを除いて大あごが退化し、小あごの一部が細く伸びて左右があわさり、1本の口吻(こうふん)になっています。

幼虫は毛の少ないいも虫か、長い毛をもった毛虫で、噛むための口器が発達し、多くの種類は植物を食べます。

 

ギフチョウ

写真は北海道撮影なので、ヒメギフチョウでしょうか。
早春に舞います。

エゾシロチョウ

5月、北海道の原生花園にあるエゾノコリンゴの木から羽化したところです。

アゲハチョウ

日本での一般的なアゲハ。
ナミアゲハとも呼ばれます。

アオスジアゲハ

地面で水を吸っているところも見かけます。
ミネラルも吸収しているのでしょうか?

オオムラサキ

日本の国蝶に指定されています。
カブトムシたちと同じく、木の樹液に集まります。

アサギマダラ

羽が大きく、ゆっくり飛びます。
長距離を移動することから「旅をする蝶」とも呼ばれています。

ムラサキシジミ

本州以南では、一般的なシジミチョウの仲間です。

オオミズアオ
ヤママユガの仲間で、とても大きなガです。

チョウとガの違いは、何でしょうか?

エゾスズメ

ガの仲間です。
 (写真:北海道撮影)

シロヒトリ

夜の灯りにたくさん集まります。
 


ハチ、アリの仲間

ハチの針は、メスの産卵管が変化したもので、オスは刺しません。メスでも刺さない種類もいます。口器は、噛む口のものと、吸収する口のものがあります。

前羽は後ろ羽より大きく、前後の羽は一体となって動きます。

単独生活をする種類から、高度に発達した社会生活をする種類まであります。

 

スズメバチ
とても危険なハチです。
写真はトラップ(わな)で捕まえたものです。
九州ではツマアカスズメバチ(外来種)の広がりも心配です。

セイヨウオオマルハナバチ
トマトの受粉用にヨーロッパから輸入されたものが逃げだし野生化しました。
もともと日本にいる種類も含めて、「くまんばち」と呼んでいるかも知れませんね。

ニホンミツバチ
もともと日本にいる小さなハチです。

セイヨウミツバチもいます。
ミツバチたちは、木や花、作物の受粉にとって、とても大切な役割をしています。
ハチミツをいただけるだけではないのですね。


みなさん、こんどはどんな虫たちと出会い、ふれあいたいですか?
とても楽しみですね。

 

(参考資料:小学館の図鑑NEO 昆虫/小学館刊 ほか)