山のようす

山は、高いところですね。
日本でいちばん高い山は富士山で、3776mもあります。
富士山は、世界の人たちにとって、日本をイメージする一つかも知れないですね。

 

山は、火山の噴火でできた山と、プレート(地球の大陸や皮みたいなもの、つまりぼくたちが暮らす地面)がぶつかりあってできる山の2つに分けられます。
山も、地球の長い年月のあいだで生きているのですね。

 

ヒトたちが暮らしたり、田畑をつくったりはできませんが、ヒトは山とともに生きてきました。

雪や雨があり、水が生まれて高いところから低いところに流れ、雲や空気のながれを変えています。
火山の熱さ(地熱)は、ときに温泉としてヒトたちの恵みとなります。

鉱物などもいただいています。

 

むかしからヒトたちは、山には神様がいるのでは?とも考えてきました。

 

登ることはたいへんですが、そんな気持ちで山をながめてみてください。

 

富士山の姿

古来より信仰の対象として崇められてきたこと、さまざまな芸術の源泉となったことから2013年に「世界文化遺産」となりました。

(C)Y.Nishizawa

 

 

 

 

 


北海道の山

北海道の山を代表するのは、むかしからカムイミンタラ(神々のあそぶ庭)と呼ばれている大雪山でしょうか。
 大きな噴火をくりかえしてきた火山です。

高さは、2000m級で、北海道の屋根とも呼ばれています。
そのほかには、世界自然遺産の知床、阿寒、利尻、日高、夕張、羊蹄山などがあります。

めずらしいことは、氷河期(ひょうがき)に氷河の流れがゆっくり山をけずったカールという地形などが見られることです。

その頃から生き残ってきているナキウサギも見られます。
強くて大きいヒグマが暮らし、とても大きくて広い山が多いです。
さむい地方の山なので、雪が多く、さらにさむくて大変な環境で、夏でも雪が融けないほどです。

 

 

高さ8000mの飛行機から見た
冬の大雪山の中心部の姿(2月)

遙かなる山と呼ばれる

大雪山トムラウシ山

(白雲岳避難小屋より/7月)

世界自然遺産・知床の連山  
(羅臼岳山頂より硫黄山方面/5月)

冬の斜里岳
東北海道のマッターホルンとも呼ばれています(3月)

阿寒山系とオンネトー(沼)10月

頂上からは噴火口が見えます

冬の利尻岳
島そのものが山のため、気象条件の厳しい山です(3月)
北の利尻、南の屋久島とも呼ばれるほどです。

屈斜路カルデラの一部

藻琴山より望む屈斜路湖/7月

(北海道最大の淡水湖)

摩周岳・カムイヌプリから望む摩周湖

これが「摩周ブルー」です。

屈斜路カルデラの一部とも云われています/6月

(透明度の高さが世界的に有名)

摩周湖からの伏流水・神の子池

(清里町)

北海道の冬山登山は、低山ではスノーシューにしますが、たいていは山スキーとシール、ストックを使います。
標高の高い場所では、氷になっていたりします。

ピッケルやアイゼン(爪のついたもの)
を使うこともあります。


九州の山

九州の山を代表するのは、阿蘇(あそ)でしょうか。
こちらも、むかしから大きな噴火をくりかえした火山です。

九州、とくに熊本地方が「火の国」と呼ばれるのは阿蘇があるかも知れません。

高さは、1500m級です。
北海道と似ているのは、こうした火山の噴火によってできた「くぼち」であるカルデラ(スペイン語で「釜」の意味)があることです。

(北海道の最大では屈斜路(くっしゃろ)カルデラ、九州の最大では阿蘇カルデラ、これらは、どちらも日本を代表する最大級のカルデラです)
日本神話の神様が空からおりたったといわれる伝説の山があったり、修行をしたりする信仰の山があったり、女の人は入ってはいけないと云われた山があったりするのが、めずらしいことです。

 

英彦山
日本三大修験場のひとつ。
いまでも頂上にはお宮と結界(人が立ち入れない聖域)があります。
調査研究により、むかしは800以上も宿坊があったことがわかってきました。(12月)

朝の光が神々しいです。

修験場の道、石段が頂上まで続きます。

九住山
久重山系のひとつ。
バイオトイレや入山者カウンターもあります。(11月)

久重山系からの伏流水・男池

平治岳登山口付近

祖母山
九州でもっとも山深いところの一つで、さまざまなどうぶつたちが暮らしています。
(10月)

由布岳
火山でできた豊後富士とも呼ばれる山。
(10月)
以前、NHK連続ドラマ「風のハルカ」の舞台ともなった地です。

高千穂峰
天から神様がはじめて降り立ったとの伝説がある山です。

坂本龍馬が妻おりょうと新婚旅行で登山をした山でもあります。(5月)

火口の中です。
北海道の雌阿寒岳にある火口と沼に

よく似ています。

宮崎県高千穂町・岩戸神社のある山並み
日本神話の神様がはじめに暮らしたとの伝説がある地です。
背景の山並みは奇妙な形ですね。

ミヤマキリシマ
九州の火山、栄養の少ないところに一番はじめに咲く有名なお花。
こうした始めに生育してゆく植物のことを、「パイオニア・プランツ(先駆的植物)」と呼びます。


高山植物たち

このたくさんのお花たちは、むかしの氷河期(ひょうがき)から生き残ったお花たちで、いまでは高い山や寒い山でしか生活ができなくなりました。
たくさんの雪、強い風や雨、乾燥、栄養のないきびしい場所で、がんばって咲いています。
(撮影地:北海道大雪山、知床羅臼岳・硫黄山、藻琴山)